株式投資で、インデックスを上回ってリターンを得つづけられる投資家ってどのくらいいるのでしょうか?
単発で儲かったという話ではなく、利益を享受《し続けられ》ている人です。
たまたま選んだ銘柄が化けて利益を手に出来たひとは多いでしょう。
(それでも全体から見れば半分にも満たないと思います。利益を得られないまま退場する人もいますから。あるいは、利益は出ていたけど恐慌に直面してロスカットされた、とか)
さらにそれを5年、10年、20年と繰り返せる人となると、天文学的に少なくなるのが事実です。
そのアノマリー(特異点)の筆頭がウォーレン・バフェットです。
彼は過去60年近くにわたって年率20%以上をたたき出している怪物です。
なぜ誰もがバフェットのように大富豪にはなれないのでしょう。
本稿では私の見解をまとめました。
投資家は誰しも一度はバフェットに憧れる
バフェットといえばその驚異的なパフォーマンスだけではなく、人柄も相まってとてもファンの多い投資家です。
投資を始めたなら一度は彼に関する本を読むことになるでしょうし、憧れを抱く人も少なくありません。
あまりにも有名なバフェットですが、その投資方針はきわめてシンプルなものです。
おさらいしますと、
- 自分がよく理解できる企業にだけ投資する
- まずまずの企業を素晴らしい価格で買うより、素晴らしい企業をまずまずの価格で買う
- 十分な安全域を確保できている割安なタイミングのときに株を買う
- 一度株を買ったら永久に保有するつもりで投資する
ですね。
と、ここでひとつの疑問が湧いてきます。
どうしてみんなバフェットのようなパフォーマンスを出せないの?
だって方針を読むだけなら、とても簡単そうに見えます。
「買ってずっと持っとけば良いんでしょ」と思いますよね。
「そんな簡単な手法で儲かるわけがない!きっとみんなが知らないインサイダー情報とか使って汚く儲けているんだ!」
そう思うのも無理はありません。
しかし、バフェット本人も公言するように、情報はアニュアルレポートなど一般にすぐ手に入るものしか利用していません。
それなのになぜバフェットが儲かる一方で、株式市場から退場させられる人は多く、みんな必死に難しい話をしているのでしょう。
繰り返しになりますが、上記の方針を実行するのはとても簡単なように思えるのですが...
本能に逆らう意思決定を続ける覚悟があるか
私の理解では、その理由はなにか科学的なものではなく、とても人間的なものです。
端的にツイートでまとめました。
株式投資の鉄則は極めてシンプルです。
— バフェット・コード (@buffett_code) 2018年5月1日
安く買って高く売る、これだけ。
ではなぜ安定的に利益を出せる人が少ないのでしょうか?
それは安く買うことも高く売ることも、煎じ詰めれば周囲のムードと逆の方向にベットする行為であり、人間の本能に逆らう意思決定を何度もしなければならないからです。
>安く買うことも高く売ることも、煎じ詰めれば周囲のムードと逆の方向にベットする行為であり、人間の本能に逆らう意思決定を何度もしなければならないから
もうこの一言に尽きます。
投資をして長期で保有していると、パフォーマンスが良いときもあれば悪いときもあります。
悪いうわさが流れることなんて日常茶飯事。
突然震災が起こって値段が半分になることもあります。
10年に一度の金融クラッシュが3年間隔で起こるなんてことも。
そうした悪いときに「この銘柄を保有していることは間違いなのではないか」「なにか見落としがあったのではないか」ということを1万回くらいは自問自答することになります。
そのすべてにおいて「いいや、絶対合ってる」「私が正しい」と自分を信じ続けられますか?
これは尋常じゃない精神力が試されます。
そしてその精神力の源は、自分が完全に納得するロジックを持っているか、ということ。
入手できるすべての情報を頭に叩き込み、何度も自己否定を繰り返しながら仮説を検証し、考えうるすべてのシミュレーションをして、ようやくたどりつく納得感。
そこまでの思考実験をして獲得したロジックだからこそ、何度不幸なパフォーマンスが訪れようが耐えられるのです。
どうすればこの「人間性の壁」を超え、株式投資で儲けられるようになるのか。
— バフェット・コード (@buffett_code) 2018年5月1日
答えは「感情を削ぐ事」です。
不明瞭な目標、曖昧な理由、あやふやな理解、基準の不在、これらが不要な感情を生む原因です。
なるべく機械化すること
→定量分析なら是非バフェット・コードでhttps://t.co/uZF2nbkbam
確固たる信念を持って、自分の手法を確立できるか。
どこまでその手法を信じられるか。
確立した手法をどれだけ遵守できるか。
これが難しい。とても難しいのです。
あなたを投資の成功から遠ざけているものの正体です。
一度でも株式投資をしたことがある人なら、その難しさの意味をすぐに理解できるかもしれませんね。
バフェットはそれを60年に渡って淡々と続けています。
やはり怪物ですね...!