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ROEについて雑記

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ROEって他の財務指標と比べても人気のある指標ですよね。

それでいてめちゃくちゃ奥の深い指標です。

それこそROEのことだけで書籍が何冊も書けてしまうくらいに。

ROEが低いとマルチプルはあてにならない?

 

要は、ROEが8%以上の企業でないと株価指標であるPBRはワークしない、ということがわかります。

株主価値を高めたくば資本コストを上まわるROEをめざせ

 

資本コストの求め方は難しいのですが、理論的に算出を試みることも重要な一方で、市場のコンセンサスは必ずしも理論的には決まりません。

多様な考え方の参加者の思惑・思索の結果で決まるからです。

そのコンセンサスに強い影響を及ぼすのが機関投資家。

その機関投資家への貴重なヒアリング結果が7%という数字。

もちろん資本コストなんて水物なので、企業個別の要因や市場環境で変わりますが、平均の目安ととらえることはできます。

 

下記のツイートの通り、ROEと資本コストの差であるROEスプレッドが正である限り株主価値は向上します。

そのROEは、伊藤レポートで目標値8%として掲げられました。

それを基にすると資本コスト7%というのは違和感のない水準です。

 

なお、伊藤レポートについて復習したい、概要をざっと把握したいという方はこちらの記事がおすすめです。

kessanmaster.com

ポートフォリオのパフォーマンスを高めたければ資本コストを上まわるROEの会社に投資せよ

 

前述のとおり残余利益モデルによると、理論上はROEスプレッドが正であれば株主価値が高まります。

上のツイートの調査では、実際にスプレッドが大きいほど株価リターンが良いことがわかります。

最後に

ROEは算出が容易にもかかわらず含蓄のある指標です。

完全にマスターするにはたくさん勉強する必要があります。

しかしROEを極めれば、会社経営においても株式投資においても役に立つことは間違いありません。

 

なお、資本コストの算出は論点が多く、一朝一夕で算出できる代物でないことは事実です。

律儀にCAPMで導出するところもあれば、ざっくり4〜15%くらいのレンジの中で、個社の事情によってエイヤで決めるという株価アナリストもいるくらいです。

本稿はROEについてなので深く立ち入りませんが、機会があれば資本コストについてもまとめてみたいと思います。