私は2025年6月から入社した ejskt です。主な担当領域はインフラとかSREとかです。この投稿は、まず私がバフェットコードに転職した経緯から始めます。遡ること10年ほど前のことですが、私は しゅうさん と同僚だった時代があったり、偶然彼と近くに住んでいることがあったりなどいくつかの縁がありました。2025年に入ってからは、バフェットコードではインフラのいろいろをまとめて面倒見るメンバーを採用したい機運が高まっていました。私自身も環境に変化が起きていて転職しようかと考えていた状況が重なり、面談を経て入社に至りました。転職の経緯としては、このようなごくありふれたものです。しかしこの転職が私にとって大きな節目になるであろうことは、私がおじさん(2025/8で47歳)になってから小さい組織に転職したこと です。
大きな組織での働きかた
前職はとても大きな会社でした。技術的には専門分野のスキルを伸ばすことができていたし、幸いなことに上司からもよい評価を得られていました。職業エンジニアとして働く環境としては、これ以上はないだろうといえるほどに働きやすい会社でした。傍から見ると「辞める理由などなかった」とすらいえます。最終出社の数日前には久しぶりに出社し、さまざまな立場で働くたくさんの人の姿、立派な建物や設備を眺めていると、私が退職する組織は日本の経済を大きく回している”巨人”企業であることをあらためて目の当たりにしてしみじみと感動してしまいました。(など感じ入ってる割には2年半ぐらいであっさり辞めているわけですが)
自分のそれなりに長くなったキャリアを振り返ってみると・・・特に強く意図はしていなかったものの、管理職コースには進まず(進めず?)にいわゆるエキスパートコースを選択してきました。 その選択が功を奏したのかなんなのか、ここ数年でようやく「どこにいってもなんとか自律的に仕事ができる」自信を得られたような気がしています(すでに成長しきったわけではもちろんなく、修行は死ぬまで続くわけですが)。
働くところには何かを求めるものである
ところでこの文を読んでくださっている皆さんは、自分が働くところに何を求めるでしょうか? 「やりがい」などといわれる形而上学的な問題もありそうです。あるいはもっと即物的に、給与の額とかフルリモートワークという要素もあるでしょう。私も例外なく、そのような正解のない堂々巡りを経て今に至っています。ひとつの観点で「正解」を議論できるわけはありませんが、今回は 組織の規模 という観点で考えてみます。
私は大きな組織にいたこともあれば小さい組織にいたこともありました。フリーランスとして生活していた時期もあり、その期間も含めれば20近くの組織に参画してきました。それぞれの組織においては典型的な「不満」があります。大きな組織においては「どうやってもルールに準ずることが第一義になってしまう宿命にある目標管理制度」であったり、小さな組織においては「ルールがないから全部決めないといけない」などが出てくるでしょう。不満と書いてはみたものの、これらは客観的には常に良い面と悪い面・・・というか、ある立場の人には不要、別の立場にとっては必要という一種の矛盾を内包しており、組織の宿命のようなものだといえます。
仕事の面においては、私などはどの現場でもAWSのインフラをワンオペで管理することが多く、そこで起きてる課題は細部は異なりますが本質的にはほとんど同じ とすら言えるかもしれません。 たとえば、起業して数年経過したシステムのインフラは積み重なった突貫工事で手がつけられなくなり、遠からず大工事が必要になります。
自分にとっての結論(の一つ)
いくつも組織を経験する中で私が得られた重大な感想のひとつは、このように 抽象的にはどこにいっても課題も仕事も似通ってくる ということです。(もちろん「どこにいっても」と文を修飾するためには、いろんな組織に参加した実績が必要です。その点、わたしは履歴書の職歴が溢れるぐらいの実績があります。なので、それぐらいは誇張してもよいはずです :) )
そういう結論めいた感想を持つようになると、自分が働くところに求めることが抽象的になってき、ほかはあまり気にならなくなってきたように思います。大げさにいえば一種の悟りに近づきつつあるのかもしれません。端的には、それは次の2点に集約されます。
- 自分の経験をどれだけ社会に還元できるか
- 自分の経験がどれだけ求められているか
この点を今回の転職で考えてみます。まずは当然ながら、技術的な貢献が第一義です。起業してから積み重なってきたシステム面の課題を解決するために、私のAWS運用経験をそのまま応用することができます。前述したように、抽象的にはここでもやはり似通った課題が多いともいえます。しかしもちろん細部は異なるので、左うちわで仕事ができるかというとまったくそんなことはなく、常に絶え間ない研鑽が求められます。そして新しい可能性を秘めた企業のシステムが安定すれば、それは社会の経済が回る、つまり社会の持続可能性が高まることに直結します。実は前職への転職経緯も同様でしたが、ずっと前から自分なりにがんばって取り組んできたことが、10年近くも経って就職に結実したことも大きな成果でしょう。
価値観の転換
30代半ばぐらいまでは朝から晩まで働くのが常態化していましたが、その時期を振り返ってみると単に「降ってくる仕事をやらないといけない」という義務感に駆られていただけのような気がします。 毎日時間も(カネも)なくて自分にとって何が重要なのかあまり考える時間がなかったともいえますが、多少の精神的余裕が出てきてからは自分にとって重要なものは何かをよく考えるようになりました。これに価値があるのか、誰のためになるのかを自分で判断するようになったということです。スキルの問題ではなく、判断の軸を他者から自分に移したともいえるでしょう。しかし本当は、要するに単に図々しくなっただけかもしれません。
日々元気に成長する子を見て思うことは、こういう若者が元気に生きる社会を我々が作っていかないといけない という使命感のようなものであったり、ここまで生き残ってこれたんだから今後もなんとかなるだろう という特段に根拠のない楽観であったりします。ターニングポイントといってもよい年齢を過ぎて、大層な表現をすれば、自分が何か大きな流れの一部であることの実感が強くなってきます。ソーシャルメディアのタイムラインに流れ続ける、答えがここにある!式の情報やら 社会と他者に対する憤怒などに目をくれていてはいけないのです。
私のメッセージは 「自分に合った」やりかたで社会に対する責任を果たしていくことが重要で、その大義に比べれば組織の大きさというのはけっこう小さな問題である ということです。おそらくこのような一種の結論めいた心境に至るには、その人に応じた時間のかかりかた が必要なのだと思います。つまり、こんな文を読んだり薫陶を受けたところで「よっしゃ俺も明日からそうするわ」なんてことにはまずなりません。一定の葛藤を経てたどりつかないと、その人にとっては意味をなさないということです。これは誰にとっても深遠なテーマであり続けるでしょう。つらつらと書いてきましたが、バフェットコード社では私の矜持に基づいて今後も精進していこうと思っています。
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バフェットコードでは、小さい組織が好きな、またそうでもなくてもこれから新しいチャレンジをすることに積極的なエンジニアを募集しています。このブログを読んで、考え方や働き方の価値観に類似性を感じた方、あるいは普段のあなたの思考とは異なるゆえにカジュアル面談してみたくなった方はぜひ気軽にお申し込みください。